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泡沫の夢

FGO2部1章のネタバレがあるので,未プレイの方は注意してください.



クリプターの一員であるカドック・ゼムルプスは自身のサーヴァントであるキャスター──アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァを失い.ロシアの大地から召喚されたサーヴァントであるビリー・ザ・キッドにより気絶させられ目を覚ますと魔術の行使ができない様にされていた.

そのまま数日が経過し,その間様々な人物がカドックを詰問しようとしたが彼は何も語ることは無かった.





「…藤丸立香か」

牢獄なのだろうか,カルデアの所有する虚数潜航艇シャドウ・ボーダーの中の一室にカドックは居た.
部屋にはベットが1つ置かれているだけであり,そのベットにカドックは腰掛けていた.

また,カルデアのマスターである藤丸の意向なのか…敵であった自分に対しても自由を与えるというどこまでも甘い対応である.

そんな甘いマスターに自分は……自分とアナスタシアは負けた.最後に銃弾から自分を守って消えていったたった一人のサーヴァントをカドックは考えに耽っていた.

クリプターの特権を行使しようとした自分を諭した彼女はその行為に意味はないと断言した.
ロマノフ王朝の後継者として,自分のサーヴァントとして,自分の傍に居てくれた理解者として……そんなアナスタシアが最後に残した言葉が耳から離れない.

「…その後悔を抱いて生きなさい,か.最後まで僕の心配をしやがって…」

髪の毛をぐしゃぐしゃとかき回したカドックは小さなため息を吐くと立ち上がり部屋の扉に手をかける.
扉はかちゃりと音を立てると開き,その事実にカドックの心に怒りが生まれる.


シャドウボーダーの中を歩くカドックのイライラは募るばかりだ.
『どうして,クリプターである僕をここまで自由にさせるんだ!』

カドックの気分を表す様に彼の靴音は強くなっていく.しかし,その靴音を聞くカルデア職員は居ない.




「あら…奇遇ね」
「…君は」

薄暗い廊下でカドックの目の前にいつかの記憶と変わらない少女が立っていた.
白いドレスを纏い,長い銀髪に青い瞳を持った少女はカドックに視線を向けるとクスクスと笑った.

「どうしたの貴方.まるで鳩が豆鉄砲を食ったような表情をしているわ」
「…ああ,知り合いに似ていたからね」

カドックは自嘲するように薄く口を歪めると視線を床に向ける.少女の声,仕草,姿に…自然とリラックスしてしまう自分に虚しさが沸いていくる.

「ふふっ,面白い表情だったわよ.カメラがあったら取っておきたかったわ…現代のカメラは私の時代からは考えられないほど進化しているって聞いてるし楽しみね」
「………」
「………」
「…君は──君のマスターはアイツだ.令呪の無い僕に…構う必要はないだろ」

少女の言葉を撥ねつけるようにカドックは右腕を振るう.振るわれた右腕──右手の甲には何も刻まれておらず,その事実を確認するたびにカドックは自分のサーヴァントであった少女を思い出す.

「令呪だけがマスターとサーヴァントの繋がりではないわ.それに…私の最後の言葉を無視して自己嫌悪に陥っている可愛らしい貴方を見るのも素敵ね」
「……部屋に戻る」
「待ちなさいカドック」

部屋に戻ろうと踵を返したカドックの手を少女は手を伸ばし掴んでいた.
冷たく柔らかな少女の手の感触だ.このまま手を握っていたら溶けていくのではないのかと思える.

「放してくれ」
「いいえ,放さないわカドック」
「…いい加減にしてくれ──っ」

儚い雪の様な手を振り払う事もできず,自分の手を掴んでいる少女の方へ振り向いたカドックの口に冷たくもどこか温かく柔らかいものが当たった.

「な,何をするんだ君は!」
「アナスタシア」
「おい」
「アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ…名前で呼んでちょうだい」
「………」

一瞬感じた柔らかな感触はまるで幻であったように少女はカドックの目の前で囁く.
その仕草に顔を赤くしたカドックは観念した様に掴まれていない片方の手で頭を掻きむしる.

「アナスタシア」
「ふふ,かわいいひとね.貴方のそういうところが好きよ」
「からかわないでくれ」

そのままどちらも無言になり廊下には二人の息遣いだけが感じられる.
繋いだ手から少年の温かさが少女の冷たい手を温める.
ふんわりと香るいい匂いに思わず少年は赤面する.

「変わらないわね」
「ああ・・・」
「そうやって強がるのもいいけど,あなたももう少し素直になるべきね.ほら,私みたいに」
「お,おい!」

くすりと笑ったアナスタシアはカドックの身体に抱き着く.カドックは驚きながらもアナスタシアにされるがままだ.

「ふふ,心臓の音が聞こえるわ.どくんどくんって早くなってる.これは緊張してるの?それとも・・・」

カドックの胸に耳を当てたアナスタシアは目を閉じ心臓の音を聞く.カドックは顔を赤くしながらアナスタシアの頭を見下ろしている.

「こうすればもっとはっきりするわね──んっ」
「?・・・え!?」

カドックから身体を少し離したアナスタシアはカドックの手を取るとそっと自分の胸に重ねる.
着飾ったドレスの上からでも分かる膨らみにカドックの心臓の鼓動は更に激しくなる.
油の切れたブリキ人形の様に固まったカドックは呆けた様にアナスタシアの顔を見つめる.

「な,な…ななな」
「あら…淑女の扱い方を知らないの?…ほら,優しく新雪を触る様に……ね」

そのままお互いに何も語ることなく静かな二人の息遣いだけが静かな廊下に響く.
段々と荒く,熱く,激しく大胆に.アナスタシアに促されて手を動かすのではなく,カドックは自分の意志で,少女の胸を激しくもどこか優しい手つきで味わっていた.

「んっ──」
「アナスタシア…」

再び唇は近づき,二人の意志を確かめるように優しい口付けが行われた.
キスをしながらもアナスタシアはそっと手を伸ばすとカドックのズボンの上から膨らみを撫でる.

「大丈夫よ…私,こういったことはしたことないけど……こうすると気持ちいいのかしら?」
「うっ…ア,アナスタシア」

すりすりと柔らかでしなやかな指がモノを撫でていく.ズボンの上からでもそのふくらみがますます膨らんでいくのが分かる.

「ズボンの上からでもこれなのだから…こうやって直接されるとどうなの?」

するりとズボンを脱がし,下着まで脱がせるとカドックのモノはひんやりとした空気に触れ思わず身震いしてしまう.

そんなカドックの様子を無視してアナスタシアは細い指で裏筋をなぞり先端を摘まむ.
汚れを知らぬであろう少女の綺麗な手が自分の欲望…モノから出る先走りに濡れていく光景にカドックの興奮は更に激しくなる.

「ぐっ…!」
「あら?ここがいいのね」

拙い少女の指使いなのだが,時折カドックの気持ちよいところを的確に刺激してくる.そんな不規則な刺激にカドックは思わず声を漏らしてしまう.

快感に耐えるカドックの顔を見つめるアナスタシアは薄く笑ったかと思うと,モノに顔を近づけ軽く息を吹きかける.

「ぐっうう…だ,駄目だ.アナスタシア…あ,あ」
「ふふ,何かしら.きちんと私に言ってみてくれる?」

上目遣いに微笑むアナスタシアにカドックは限界を迎えようとしていた.

「で.出る…!イ,イくから!」
「かわいいひと──ほら,出しなさい」
「ぐっ…!あ,あああ!」


アナスタシアの言葉に限界を迎えたカドックは腰をガクガク震わせ,アナスタシアの顔に白く濁った体液を吐き出した.
独特な匂いのする体液はアナスタシアの髪に,顔に,そしてドレスに染みついていく.

息を整えるカドックは呆けた様にアナスタシアを見つめる.
やってしまった.それが今のカドックの心境だ.彼女を汚してしまったという後悔に思わず目を伏せてしまう.

「す,すま──」
「目を離さないでカドック」
カドックの言葉を遮ったアナスタシアは顔に付いた精液を指で拭うとカドックに見せつける様に指に付いた精液を舌で舐め,ごくりと喉を鳴らした.

「んっ……ちょっと苦いわね.」
「あ,アナスタシア…」
「もし…私を汚してしまったって後悔しているのならそれは間違いよ.これは間違いではなく,私が貴方としたかったことなのだから………ねぇ,カドック.続きはしないの?」

小悪魔的な笑みを浮かべてた少女の言葉に少年は無言で少女を抱きしめた.



先ほどまで行われていた情事の後は消え,まるで夢であったかのように少年は1人廊下の壁にもたれかかっていた.
少女は消え,少年の身体には少女の暖かさが残された.

「ああ,約束を果たそう.君の言う通り…僕はこれからも後悔するかもしれないけど…もう迷わないさ」

胸に残った彼女の全てを愛おしく思いながら,少年は涙を流した.

「今度こそ…僕は君に相応しいマスターだったと…証明して見せる」

小さくとも覚悟の篭った声が廊下に響いた.

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